1. 株式会社OPERe 代表取締役 澤田 優香 氏

東京都創業NETインタビュー

株式会社OPERe 代表取締役 澤田 優香氏インタビュー

株式会社OPERe 代表
澤田 優香 氏
聖路加国際病院にて看護師として在籍中、「臨床を外から支えたい」とコンサルティング会社に転職。医療機関の経営支援などを経て、2020年6月に株式会社OPEReを創業。スマートフォンを用いた医療者と患者を繋ぐ新しいコミュニケーションツール「ちょいリク」、入院案内を半自動化するアプリ「ポケさぽ」を展開している。
株式会社OPERe Webサイト

テクノロジーを用いて医療現場でのオペレーションを刷新し、医療サービスの持続と発展につなげる。

医療現場の労働環境に課題を感じ、臨床を外から支えることを決意

中学生の頃、漫画の主人公に憧れ看護師を目指しました。念願叶い臨床看護師として働き始めましたが、医療の現場は想像以上に過酷なものでした。そんな過酷な環境の中でも、看護師の先輩や仲間たちはプロフェッショナルとして笑顔を絶やさず患者さんと丁寧に向き合う姿を見て、「仲間が生き生きと働ける環境を整えていきたい!」という思いが強くなり、臨床の現場を外から支えたいと、病院経営コンサルタントに転職しました。

患者としての実体験が起業のきっかけに

転職後コンサルタントとして働く中で、私自身が患者として病院に入院することに。看護師になって以来、医療を提供する側から受ける側の立場を経験しました。いざ患者側の立場になってみると、「毎回看護師さん呼ぶのが申し訳ないな…」と、緊急ではない用事でのナースコールの押しづらさに驚きました。緊急用のアイテムとしてナースコールはとても優れています。ですが、これだけスマホが普及して、急ぎではない場合はLINEやメールでコミュニケーションすることが当たり前になった現代には、ナースコール以外のテキスト型のコミュニケーションツールがほしいなと思ったんです。例えば自分のスマホで入院中だけ病院とつながって、ちょっとしたリクエストは全部テキストで送る。そんなことができたら、患者も気軽で、看護師側も事前に理由が知れて便利だし、分析もできるし、現状を少しでも改善できるんじゃないかなと思いました。そこで、ツール開発に向けアイデアに興味を示してくれる企業探しをスタートしました。しかし、何社かに話を聞いてもらいましたが、自分のプレゼン力の低さもあいまって、ツール開発への同調を得ることはできませんでした。それでも、今後病院と患者が新しいコミュニケーションツールでつながるべきだ、つながれたら双方にとって大きなメリットがあるはずだ、と諦めきれず、1から自分でやってみようと決意しました。

アイデアを言語化することで見えたビジネスプラン

ツール開発をするぞ!と決意したものの、右も左も分からない状態。私のアイデアは本当に必要とされているのか不安になり、信頼できる看護師時代の上司と友人、更には資金調達に向けVCの方に話を聞いてもらうことになりました。知人二人からはポジティブな反応が返ってきたものの、VCの方からは「市場に浸透するイメージがわかない」と、とてもシビアな意見をいただいて。投資家の方の厳しい意見に落ち込みましたが、ここまで否定されても挑戦したい気持ちは消えなかったので、自分に驚きました。投資家の方は私に足りない部分を明確に指摘してくださり、今でもそのアドバイスは大変役に立っています。その後は一度全否定されたので気持ちが楽になり、恥を捨てて色々な方に相談しながらビジネスプランをブラッシュアップしていきました。その中でTOKYO STARTUP GATEWAY(以下、TSG)の存在を知り応募することに。結果、まさかの優秀賞を受賞。コンテストで、審査員、メンタリストの方から肯定的な意見を多くいただいたことが自信へと繋がりました。TSGでは優秀賞を受賞後、3ヶ月間にわたりメンタリングしてもらうことができます。この期間で事業計画のブラッシュアップなどを手伝っていただき、ビジネスプランが明確化。多くの起業家や経営者の方から心に残るようなアドバイスをいただき、次に進むパワーをいただきました。

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医療現場の声を元に誕生した今までにないコミュニケーションの新しい形

コロナが蔓延し病院が患者を受け入れ始めた2020年4月、以前からずっとお世話になっている尊敬する看護部長さんから「患者さんとの対面のコミュニケーションが難しい状況になってきてしまった。開発中のアプリを使いたい」と連絡をいただきました。医療現場の緊迫した状況を聞いていたこともあり、少しでも力になりたいと急ピッチで制作をスタート。TSG経由で紹介いただいたアプリ開発チームと共に、2週間でプロトタイプが完成。1週間の試験運用を経て、約3週間という速さで医療現場での実証実験がスタートしました。実証実験では様々な壁にぶつかりました。例えば、最初はアプリをインストールして使うタイプを想定していたのですが、病院側に専用の端末を準備してもらわなければならないという資金面の難しさと、病院のWi-Fi環境が整っていないという問題、さらには個人情報やセキュリティなど様々な課題が明るみに。そこで、メインで使用するプラットフォームをLINEに変更し、患者さんの立ち代わりが激しい現場で、専用のアプリインストールなどの手間なく、LINEで友達登録をし退院したら解除するという簡単な仕組みにするなど、1つ1つ対応していきました。このような形で現場の皆さんと二人三脚で開発したのがコロナ病棟特化型のコミュニケーションツール、「ちょいリク」です。「ちょいリク」を運用していく中で、患者と医療者のコミュニケーションについてより深く考えるようになりました。特に「入院案内」はテキストであった方がよいと確信しました。そこで入院案内を半自動化させるアプリケーション「ポケさぽ」を開発。この「ポケさぽ」が、現在は弊社の主力製品となっています。

オペレーションの刷新を通して、医療現場の志を支えたい

弊社はツールを使用した医療者、患者さんに製品アンケートをお願いしているのですが、約95%の方々から高評価、満足していただいています。皆さんから「このツールがあって本当に良かった」と言っていただけるのが事業を進めていく中で大きな励みになっています。今後もテクノロジーを用いて医療現場の業務オペレーションを刷新するお手伝いをしていきたいと思います。そして、医療者と患者さんとの新しいコミュニケーションのスタンダードを確立させていきたい。そのために、私自身経営者として、現状から目を背けず、事実に基づき思考し愚直に努力していきたいです。協力してくれている方々のためにも、実現に向け邁進していきます。

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起業を目指す人へ向けて

起業したいと思っている方の多くは、解決したい課題や目的があるのではないでしょうか。その課題を起業という選択肢で解決したいと考えている方へは、思っていることを徹底的に言語化することをお勧めします。まず自分一人で言語化するでもよし、周りの人の力を借りて言語化してもいいと思うんです。とにかく言語化を通じて、自分の課題であったり、それをどう解決へ導くかという具体的な指針を定めていくことが大事と感じています。さらにその内容を周りに発信することにより、アイデアが形になっていくので、恥ずかしがらず話してみてはいかがでしょうか。まずは手段であれこれ悩むより、解決したいことを言語化して走り出すことが重要だと思っています。応援しています!

記事内の創業・成長支援プログラム

TOKYO STARTUP GATEWAY

TOKYO STARTUP GATEWAYは、テクノロジーから、モノづくり、ソーシャルイノベーション、リアルビジネス、グローバルを見据えた起業など、分野を越えて、「東京」から世界を変える若き起業家を輩出するスタートアップコンテストです。
優秀なビジネスプランなど、初めは必要ありません。「こんな世界や世の中をつくりたい、みてみたい。」その、あなたに秘めた夢・情熱こそが全てのはじまりです。この場に集まる仲間や応援団と共に、真に世界を変えていける力を、思い切り磨いていってください。

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