1. 株式会社DiningX 勝村 風我 氏

東京都創業NETインタビュー

株式会社DiningX 勝村風我 氏

株式会社DiningX
勝村 風我 氏
2021年大学在学中に起業。両親が飲食店を経営していたこともあり、幼い頃から飲食店業界に関心を持つ。
学生時代にアルバイト先で感じたお客様アンケートへの課題意識から、飲食店評価に特化したAI分析で店舗改善を促進するアンケートサービス「RECOPO」を考案・提供している。
株式会社DiningX Webサイト

AIアンケートサービス「RECOPO」で大好きな飲食業界を誇れる存在へ

AIアンケートサービス「RECOPO」で飲食業界の問題を解消する

株式会社DiningXは、2021年に創業しました。飲食店評価に特化したAI分析で店舗改善を促進するアンケートサービス「RECOPO」を提供しています。お客様の声をリアルタイムで集約し、見やすいダッシュボードで分析結果を見られるので、店舗改善に役立てられます。チェーン店では、一店舗の評価が全店舗の評価になるため、どの店舗でも同じクオリティの体験提供が求められます。アンケートはリアルタイムで確認できるので、もし、味やサービスが下振れている店舗があれば、すぐ対処をすることができます。
RECOPOの一番の強みは、アンケート内の記述回答を自然言語処理の技術で定量化できること。私たちが調べ尽くした限り、飲食店の評価は味・接客・料理の提供時間など23項目に分類できます。RECOPOでは、AIが自動で記述内容を23項目にラベリング。結果をグラフにまとめます。記述式アンケートにすることで、お店が質問項目で誘導することなく、お客さんが気にしているポイントを知ることができるんです。「うちの店は料理の味が強みだと思っていたけど、実は雰囲気に満足して来店するお客さんが多い」など、思いもしない店舗の強みが見つかることもあります。

株式会社DiningX 勝村風我 氏

お客様アンケートに潜む深い課題に向き合うために起業を決意

DiningXという社名はDiningとDX を組み合わせたもので、「飲食店がなりたい姿を実現させる」というミッションを掲げて飲食業界のデジタルトランスフォーメーションを推進している企業です。しかし私は、自分自身を飲食業界の人間だと捉えています。両親が飲食店を経営していたこともあり、今でも週1回飲食店で働くほど飲食店が好きなんです。そんな私が飲食に関わるサービスで起業したきっかけは、大学在学中にアルバイトをしていたお店でした。
そのイタリアンでもお客様アンケートは回収していたけれど、回答後の用紙は見たいスタッフが見るだけ。ネガティブなレビューからはお店の課題が見つかるはずなのに、枚数が多く、そのままでは優先すべき課題がどれなのかもすぐには分かりません。当時は分析に課題を感じたのですが、ただ用紙をテーブルに置いておくだけになっていることが多い回収方法にも改善の余地があります。
このように、お客様アンケートには実は深い課題があり、飲食業界を変えていくには真剣に向き合う必要があると直感的に思ったのです。ならば自分で課題を解決しようと決意したのは、2021年1月のことでした。

少数精鋭でスピーディーに成長していくための採用

それまで、インターンシップには参加していたものの、大学卒業後のキャリアをはっきりと考えてはいなかったのです。しかし、起業を決めてから約1か月後の間に仲間を集めながら、どんなサービスにするかを話し合い、2月にはDiningXを創業。同年8月に登記して株式会社にしました。
現在いる社内メンバーには、私の元からの友人が多くいます。共同創業した藤田との関係は一番長く、出会ったのは3歳の頃。保育園が一緒だったのです。起業を決めたときに、当時大学でAIの研究をしていた藤田に声をかけなければ、AIで自動化したアンケートサービスとなることもなかったでしょう。ほかにも、高校や大学で出会った友人がジョインしています。スタートアップなので少数精鋭でスピーディーに成長していく必要がある中で、一人一人がもたらすインパクトは大きいです。起業する前から強みや能力値の高さを把握していて信頼できるメンバーなので、会社に入ったと同時に最適なスタートを切ってくれています。私たち自身が良いメンバーと楽しみながらより良いサービスを提供することが、飲食店での顧客満足度アップに繋がると信じています。今後もスピード感をもってサービスを拡大するために、リファラル採用は積極的に行いたいですね。

株式会社DiningX 勝村風我 氏

ASACアクセラレーションプログラム参加で、解像度を上げて事業をブラッシュアップ

青山スタートアップアクセラレーションセンター(ASAC)のアクセラレーションプログラムに参加したのは、事業をブラッシュアップしたいと考えたからです。実は創業初期につくば市で同様のプログラムに参加したことがあり、参加するメリットを知っていたので、事業フェーズが合うASACに参加しようと決めました。参加して衝撃的だったのは、日々社内で行っている倍以上の解像度で事業プランをブラッシュアップをしてくださったことですね。私たちが一番知っているはずのサービスを、きちんとしたフレームワークを使って私たち以上に深く掘り下げて考えていただいたので、得たものは多かったですね。担当してくださった方とのご縁も、参加してよかったことの一つです。期間中はもちろん、プログラムを終えた今も私たちの事業を気にかけてくださるので、今も連絡を取り合ってアドバイスをもらっています。期間後にまで良い関係を築ける方との出会いを得られたのは、期待以上で嬉しい事でした。アクセラレーションプログラムはいくつもあるので、業界を絞ったものか、事業フェーズに合うものに参加すると得られるものが多いと思います。

株式会社DiningX 勝村風我 氏

起業を目指す方へのメッセージ

私はスピードを重視して仕事をしているのですが、飲食業界を人々からリスペクトされるような業界にしていきたい思いがあるからです。学生時代のアルバイト先に選ぶ人は多いけれど、飲食企業に就職する人は少ないのが業界の現状です。私自身は飲食業界が大好きで、誇らしいと胸を張って言えるのですが、世間からも同じように思われるには問題が山積みです。コロナウイルス流行のようなイレギュラーなことが起きても強く残れるビジネスモデルを構築して、働く人が輝く業界にしていきたいですね。その先には、日本の食文化を世界に広めたいという思いもあります。接客やおもてなしの精神、料理の質など、日本の飲食店は、世界に誇れるものです。海外でも強く生き残れる外食ビジネスを広げるべく、会社を成長させていきます。
私が学生起業だったこともあって、準備期間などなく思い立ったと同時に必要な情報を必要なタイミングで収集しながらここまで進んできました。経験を積んで、準備をしてから起業するメリットもあると思うけれど、私は思い立ってすぐ行動してよかったと思っています。若さは強みになるので、若い方ならなおさらです。私たちも日々小さな失敗はあるけれど、立ち止まることはありません。すぐに次の一歩を踏み出しながら改善を重ねています。準備なんてそんなに要りません。起業したいと考えている方、すぐにでも起業しましょう。

記事内の創業・成長支援プログラム

青山スタートアップアクセラレーションセンター

5か月間のアクセラレーションプログラムを通して、アクセラレーターや先輩起業家、さらには大志を持った多くのメンター陣の支援を受け、リーディングカンパニーへと成長するための機会と場を提供しています。特に女性起業家や成長産業等、東京都の政策課題に取り組む方々や、ソーシャルやものづくり等、ベンチャーキャピタル(VC)が投資しにくいといわれる分野で起業に取り組む創業予定者やスタートアップ企業をメインのターゲットにしています。

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