1. 株式会社 Life Tech Robotics 代表取締役 竹元 翔太 氏

東京都創業NETインタビュー

株式会社 Life Tech Robotics 代表取締役 竹元 翔太 氏

株式会社 Life Tech Robotics
竹元 翔太 氏
長野高専機械工業科在学中にロボカップ、NHKロボコンともに全国大会に出場。卒業後はロボットベンチャー企業2社で勤務したのちに独立。2年間個人事業主として活動していたが2019年4月にLife Tech Roboticsを設立。現在は、移動ロボットを主軸にロボットの開発・製造・販売を行っている。
株式会社 Life Tech Robotics Webサイト

希望を実現できるロボットをワンストップで提供
「ロボティクスですべての人を笑顔にしたい」

使う環境に合わせた移動用ロボットをトータルで製作

Life Tech Roboticsは「ロボティクスですべての人を笑顔に」という理念の下、ロボットの開発・製造・販売をトータルで行っています。作っているのは主に移動ロボット。例えば、工場内や農業現場で荷物を運ぶものや、センサーを使って各部屋の明るさや距離などを計測して回るロボット、美術館などで人を案内し、作品紹介まで担当するロボットなどを手掛けています。
現在はご依頼に合わせ、使用する環境に合わせたロボットを仕様から考えてお作りすることがほとんどです。屋外で使用する場合は、天気や地面の状態、日当たりなどの環境が毎日違う中で動くようにしなければならないので、屋内用のものとは制御する技術が異なります。制御する技術を使い分けて、目的に合わせた環境で動くロボットを開発するのは難しいのですが、屋内外問わず対応できるものを作り、実際にさまざまな現場で活用していただけているのは、私達の強みだと思っています。
メカ・電機・ソフトウェアなど、ロボットのシステムを作るのには幅広い知識が必要なので、電機専門・プログラム専門というように各分野に特化した会社がほとんどです。一方私たちはロボットの専門家として各分野を理解し、担当できる技術者集団なので、社内で完結させられるのも、ご依頼いただいた方に喜んでいただけている点です。

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今のロボットづくりのベースは、学生時代に参加したロボットコンテストでの実践的な製作経験

ロボットの道を進むことになった特別なきっかけはなかったように思います。ただ、幼い頃からロボットアニメやプラモデルづくりなどは好きでした。父が自動車整備士だったこともあり、自然と機械いじりができるようになったのも、今の仕事につながっているのかもしれません。
ロボットを初めて作ったのは小学3年生頃に参加した、大学主催のイベントです。その後はなかなか機会が得られませんでしたが、ロボットについて学べると進学した高専で本格的にロボットづくりに関わるようになりました。入学したのがちょうどロボコンプロジェクトチームが出来たばかり、学校を挙げてロボットコンテスト(ロボコン)に注力しだした時期。
私はメカを担当し、チームで全国大会出場を果たすことができました。当時、ロボットの製作で大切にしていたのは“安定して動くこと”でした。試合がいくつも続くので、頑丈で、メンテナンス性のよいものを作るようにしていましたね。学生時代に失敗を重ねながら自由に、そして試合に向けて実践的に学べた経験は、今のロボット製作でもベースになっていると感じます。

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独立して良かったのは、開発に携われるロボットの幅が広がったこと

高専卒業後は、ロボットベンチャー企業2社を経験しています。ロボット技術が好きだったので学生時代の延長でロボットの道に進んだのですが、自分が会社員として長く働くイメージはなかったため、就職直後から個人で仕事をすることを念頭に置きながら経験を積ませていただきました。合計4年半ほどの会社員時代に、現在の主軸になっている現場で動かすロボットを多数担当。おかげでノウハウを身に付けることができました。
会社内でも仕様を決めるところから製造まで1人で担当できるようになっていたので、仕事のタイミングを見て独立。
個人事業主を経て、2019年4月に設立したのが株式会社 Life Tech Roboticsです。会社員の頃と比べてつくるロボットの幅が多種多様となったのは、独立して良かったと思っています。難しい面も増えましたが、仕様から考えたものが形になって思った通りに動くのはやはりうれしいですね。使ったお客様に「良いものを作ってくれてありがとう」と感想をいただけるのが、今のやりがいになっています。

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各種サポートを受けながら安心して働ける「インキュベーションオフィス・TAMA」

今、会社を置いているのは「インキュベーションオフィス・TAMA」。創業期の中小企業を各方面から支援してくれる産業サポートスクエア・TAMAの経営サポート館3階にあるインキュベーションオフィスです。ものづくり分野で創業7年目以下の方が入居でき、東京都から賃料の補助を受けられます。個人事業主の頃は多摩市の創業支援施設を利用していたのですが、起業にあたり、ものづくりに特化した、製作スペースも十分に確保できる施設だったのでこちらに入居することにしたのです。
創業から日が浅いので、さまざまな支援が気軽に受けられるのは助かっています。実際に、知財や下請けのトラブルに関する相談に乗っていただきましたし、士業の方が常駐しているので、私も弁護士の方などにお話を伺いました。敷地内にある多摩テクノプラザでは技術的な相談も受け付けてくれますし、仕事として開発に携わった経緯もあるのでやりとりする機会が多いです。あらゆる相談がすぐにできるので、安心感があります。
すでに十分サポートいただいていますが、残りの入居可能期間でこれまで活用してこなかった補助金の相談をお願いして、せっかくの環境を有効に使わせていただこうと考えています。

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起業を目指す方へのメッセージ。トライ&エラーで前へ

起業するとなると不安に感じることも多数ありますが、失敗を恐れず挑戦してほしいです。私自身分からないことだらけでしたが、ものづくりと同様に失敗を失敗と思わず、トライ&エラーで前に進めていっている最中です。
テクノロジーは、確実に世の中を変えていきます。その一つがロボットであり、技術を活用して人手不足の解消や省力化が実現できれば、人はより楽しく、クリエイティブな仕事に回ることが可能になります。そのためには、ロボットに興味がある人やロボット開発をしたい人たちが開発に携わることができない実情も変えていかなければなりません。
会社としては、これから自社サービスも提供しようとリリースに向けて開発を進めているところですし、ロボット需要が大きい海外とも連携した展開を考えています。実現に向けて社員を増やし、事業を拡大させていきたい思いです。弊社が、開発に携わりたい方の活躍の場としても業界に寄与していけたらうれしいです。

記事内の創業・成長支援プログラム

インキュベーションオフィス・TAMA

インキュベーションオフィス・TAMAは、産業サポートスクエア・TAMA経営サポート館の3階に設置されたインキュベーションオフィスです。事業運営を担当する東京都中小企業振興公社の経営面のサポートに加え技術面での支援や知的財産に関する相談など産業サポートスクエア・TAMAの敷地内にある支援機関から多様なサービスをタイムリーに受けることができます。

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