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内省の価値を広め、深め、自己実現社会を創造する

AIを用いた内省アプリ「リフクラ」が心の対話をサポート

株式会社TIELECは、2023年設立。誰もが内省を当たり前にできる社会を目指して、内省支援サービスを展開しています。対面支援と合わせて、手軽に自分との対話を深められるようにと前職のエンジニア経験を活かして開発したのが「リフクラ」。AIからの問いかけに応えていくと、内省できるサービスです。AIがフレームワークに合わせて適切な問いかけをするので、自然と深い内省が可能になります。カウンセリングやコーチングでは言えなかったことも、いつでも気兼ねなく率直に打ち明けられるのがアプリならではの良さです。

開発で大事にしたのは、共感と優しさのあるフィードバックをすることです。質問に数行で解答すると、AIが分析して、次の問いかけを表示します。事実・感情・解釈・意味・決定の順に問いかけを行うので、思考の流れが言語化され、新しい気づきを得やすいしかけになっています。

自身の経験から内省の必要性を発見　エンジニアから起業家へ

内省の価値に気付いたのは、エンジニア時代に心身の不調に陥り、休職を経験したのがきっかけでした。初めてマネジメントを任された際に、会社から求められることと、自分がやっていきたいことの擦り合わせがうまくできなかったことが原因でした。それまでは目の前の仕事に取り組むので精一杯だったのですが、自分の時間ができ、初めてじっくりと自分の今後や、強みを活かす方法について考えることができました。その後復職するのですが、自分について考えた時間は、とても価値のあるものだったと後になって気付いたのです。技術の進歩が目覚ましい現代では、これまで必要だったスキルの多くは、AIがサポートしてくれるようになっています。そんな中で、人間はどういう風に生きて、仕事でどんな価値を生み出せばいいのか、一人一人が向き合わざるを得ない状況になりつつあると感じています。ロボットがもっていない答えは、自分の内側から引き出すしかありません。内省は、この先ますます欠かせないスキルになるでしょう。
学生時代からずっといずれは独立・起業したい想いをもっていたこともあり、内省をアプリと対人支援で、組織と人をサポートするサービスをつくろうと決めたのです。復職後、独立を見据えて人事職を経験させてもらった後に、退職。現在に至ります。

「内省」の認知を高めるべく東京スタートアップゲートウェイに応募

起業を決めた先には、いくつものハードルが立ちはだかっていました。まず解消しなければならない大きな課題は、「内省」という言葉がまだ多くの人々に理解されていないという現実でした。コーチングやカウンセリングが注目されつつある中で少しずつ認知は広まっていますが、まだまだ言葉自体が知られていません。サービスを広めるには、内省という言葉とその重要性を知ってもらうことが必要でした。
打破案の一つに選んだのが、東京スタートアップゲートウェイ（TSG）への参加です。TSGはスタートアップ起業の登竜門的な立ち位置。大きなステージでのプレゼンテーションは、認知アップに繋がります。この機会を活かして内省の重要性をアピールしようと、準備をすすめました。TSGでは、書類審査のプロセスでビジネスプランを何度も見つめ直して考えることができましたね。期間中に先輩経営者3名からメンタリングをしていただく機会もあり、さまざまな助言をいただきました。当時開発を進めている最中だったリフクラに関する「人との対話感が強まるような問いかけ表示に変更してみては」などといった具体的なアドバイスから、「これから間違いなく伸びてくる市場だから、信じて進めてほしい」という励ましの言葉までいただきながら、ブラッシュアップできました。最終的にファイナリストとして大舞台でプレゼンする機会の他に、参加していた近いフェーズの起業家との繋がりも得ることができ、とても良い経験となりました。

内省による心のケアでもたらす、健康的で平和な社会

私は内省が広まることで、平和で思いやりの多い世界に近付いていくと考えています。内省せずに行動する人が多いと、相手の立場に立った考えなしに行動して人を傷つけることもあるでしょうし、時に犯罪的なことも起きる可能性があります。内省が当たり前の社会になれば、みんながそれぞれ先回りして考え、よりよいと思えるアクションが取れるようになるでしょう。もちろん予測どおりにいくことばかりではありませんが、その結果に対してまた内省を重ね、プラスの行動を増やせるはずです。
TIELECの最終着地点は、アプリケーションと対人支援の掛け合わせで内省支援していくことだと考えています。アプリを使えば、自分の心を自分でケアするメンタルセルフメディケーションが可能です。また、企業で導入してもらえば、プレゼンティーイズムの対策となります。プレゼンティーイズムとは、心療内科等を受診するレベルではなくとも、心身に不調を抱えている状態です。プレゼンティーイズムの人が本来のパフォーマンスが発揮できないことによる経済損失は、かなり大きいと試算されています。私達のサービスはその対策となるので、今後は企業の健康経営にも貢献していきたいと考えています。

起業を目指す方へのメッセージ

起業したい想いはあるけれど、なかなか前へ進めないという人は、何かしらのメンタルブロックを抱えている可能性があります。リフクラを使えば、何がメンタルブロックになっているのか、不安の原因を探り、前向きなアクションを考えることも可能です。心のブレーキがかかり、なかなか動けない状態にいる方にとって、リフクラは心強いサポートとなるでしょう。自己分析や価値観整理はもちろん、ビジネスの方向性を明確にする手助けにもなります。ぜひ活用してみてください。
TSGに参加すると、創業期に必要なサービスが利用できる特典があったり、補助金が得やすくなったりしたのは、個人的に創業の助けとなりました。他にも創業支援にはさまざまなものがあります。
自分で考え、意思決定し、行動できるので、私は起業してよかったです。自分の意志ですべてを決められる楽しさを最大限味わいたい方には、起業をお勧めします。

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