1. 創業ステップアップ講座(計画編)

東京都創業NETインタビュー

創業ステップアップ講座

計画編 ~事業計画づくり~

川原:3年で1000万円以上貯め、起業 平井:事業開始前に最初の5社(人)をおさえる

川原:3年で1000万円分の活動資金を用意し、起業
平井:事業開始前に最初の5社(人)をおさえる

株式会社セルフウイング
代表取締役社長
平井 由紀子(写真右)

平井 由紀子

2000年から、「自立して働く」という概念を涵養するため、日本全国の小中高校向け、企業・自治体、アジア・中東諸国に「起業家マインド育成プログラム」を提供。起業をキャリアの選択肢に入れる人材を体系的に増やすことを目的に、小学生から成長段階に合わせて、継続的な起業家教育を実施する事業を国内外で加速している。2016年、Selfwing Vietnamを設立し、ASEANで事業展開を開始。

株式会社リトルソフトウェア
代表取締役
川原 伊織里(写真左)

川原 伊織里

2014年1月設立。脳波等のバイタルデータを解析し、「感性」に翻訳する技術を活用し、製品利用評価や各種サービスを提供する。社員数は6名。「感情のインテル」を目指し、運転中の快適度測定や、脳波を活用して眠気覚醒に役立てるアロマなどを大手メーカーと共同で開発。

起業するために、ヒト・モノ・カネをどのように準備するか、計画編です。

川原社長は、起業に悩んだ3年間で起業後の活動資金をためられたそうですね。

川原:周囲には中小企業の経営者の方もいらっしゃって、お話を伺うと資金が続かなくて辞められる方の声も伺いました。いまは創業時に融資を受けられる仕組みが整っていますが、8年前に創業しようとした当時は誰もお金を貸してくれなかった。まず3年続けるためにどれだけのお金が必要か試算して、これだけあれば自分も安心して事業ができるだけのお金を用意しました。

事業を始める前にどのような準備、期間が必要ですか?

平井 由紀子

平井:マインドセットができたら、知識を取り入れて、ヒト、モノ、カネの準備をします。自分がどのレベルで起業しようとしているのか。自分が子育て中で子育てしながら合間を見て何かやってみたいのであれば、何年も悩んで自己資金をためなくていいし、方法はいろいろあります。ロールモデルがあれば、その人たちはどのようにマインドセットして知識を入れてどのようなスキルがあったのか。まずはあるべき姿があって、そこに行くにはどのように準備するかで考えるとわかりやすいかと思います。

川原社長はモノの面で人とのつながりに支えられたそうですね。

川原:大学の先生のお手伝いをしていたときに、著名な方だったので、企業が「これを使ってビジネスをやってごらん」と何百本という脳波計を貸してくださった。もともと大企業にいたので彼らの気持ちがわかる、私の得意な分野でした。これを使ってテストをしたいとどこからともなく別の企業が声をかけてくれる。脳のビジネスは宗教がかってると思われることもあり、二年間無償でやりました。その代り、多くの脳波データを保有することができました。データを持っている会社は勝つだろうと考えたからです。

いまお付き合いしているお客さんはかなり大きいので将来大事なお取引先企業様になる可能性がある、大企業は仲間と思ってくれ、少しずつお金を出してくださっています。

古巣でも起業する人はほとんどいない。だからこそ助けてあげなくてはという気持ちにみんながなってくれたようで、人や企業を紹介していただき、実はありがたいことに一度も営業したことがないんです。資金繰りを考えるのはいけないだろうと。

平井:技術の軸と市場の軸にわけると、あなたはこの市場を知っていますか?と自分がやろうとしていることにどのくらい専門性があるか考えたときに、「大企業という市場を知っている」は強みになります。一番リスクが低いところから始めるのであれば、私のお勧めは最初の5社ぐらいは抑えたところからスタートですね。自分がやろうとしていることに対してごはん食べられるわというのを持って、起業したほうがいい。そうでなければこれからやろうとしている事業の海でしっかり泳げる確信があってスタートするのがいいかと思います。

現在、従業員6名ということですが、人を集めるのは苦労されましたか?

川原 伊織里

川原:はじめは夫婦2人でやって、私たちがやっていることに対して面白いと言ってくれて、前職の経験がビジネスとはまったく関係なくても人を好きと思ってくださっている方ならうちに入ってくださいと。最初に入社された方は東洋医学やアロマの資格を持っていて、最近では人事系が強い方、産業カウンセリングの資格保持者などです。うちはエンジニア以外は皆女性です。なかなか40代に近い方が仕事に戻れない。そういう方に入っていただいています。40代ぐらいの方は常識を持って仕事をするので作業効率がいいです。

川原社長は創業初期は中野区のインキュベーション施設に入居されていたそうですね

川原:スタート時は自宅を使いましたが、中野区のインキュベーション施設に入れていただいた。中野区の施設は面白くて、中野区のプロジェクトに参加するベンチャーが入居できます。いろいろな共同プロジェクトや経産省のプロジェクトにどんどん参加させてくれる。そういうところで少しずつうちの名前がでてくることで、行政がバックアップしてくださっていることが信用になっているところがあります。

まとめ

  • これから起業するにあたり、不足しそうなものを予測し、補う
  • ロールモデルを見つけ、逆算してどのように到達できるか考える

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