1. 株式会社Circloop 中村 周大 氏

東京都創業NETインタビュー

株式会社Circloop 中村 周大 氏

株式会社Circloop 中村 周大 氏 大学卒業後、株式会社インテージやKDDI株式会社にてリサーチやマーケティングに従事。KDDIを退職後、飲食店向けの事業開発支援を行うなかで、使い捨て容器に課題に着目しリユーザブルカップによる循環型サービスを構想し、2022年10月に株式会社Circloopを設立。2023年ASAC第19期受講生に採用。
株式会社Circloop

使い捨てから循環へ。リユーザブルカップから始まる資源循環

リユーザブルカップという第3の選択

日本では飲料に使用するカップなど使い捨て容器が大量に使用されており、使用後はゴミとして廃棄されます。環境に与える負荷が大きい“使い捨て”を“循環”へと変えていくために私たちが提供しているのが、リユーザブル容器の循環型サービスです。オフィスやコワーキングスペースなどを中心に、繰り返し使えるリユーザブルカップを提供し、使用したものを回収、洗浄して配送するという一連の流れを当社が担います。
導入いただいた企業側や利用者様は、リユーザブルカップを使っていただくだけで、使い捨て容器という廃棄物を大幅に削減できるだけでなく、サステナブルな取り組みに関わることができます。使い捨ての紙コップでもなく、マイボトルでもない、第3の選択肢としてリユーザブルカップが浸透することで、環境への意識を変え、行動変容につながればと考えています。
現在リユーザブルカップは約15社に導入いただいています。また2025年10月には品川区と「リユースの推進に関する協定」を締結し、品川区内の公共施設にも導入いただきました。

株式会社Circloop 中村 周大 氏

意外な気づきから、事業モデルを創造

転職でいくつかの会社を経験するなかで、プロジェクトリーダーも務めながら、やりがいを感じられる大きな仕事にも関わってきました。しかし企業の一社員であり代表でもない私には最終段階での意思決定ができません。自分で考えてプロジェクトを動かしたい、意思決定したいという気持ちが徐々に芽生えていき、独立を考えるようになりました。
最初はこれまで長く関わってきたデータ分析やマーケティングのコンサルタントとして独立しました。担当させてもらうことになった飲食店向けの事業開発で、リサーチを兼ねてお店を回っている際に、使い捨て容器が大量に排出されることに気づいたのです。この現状を変えていくことはできないかと考えるなかで、海外では周知され始めているリユーザブルカップにたどり着きました。
どんなふうに事業化すればいいのかと思い描くなかで、東京都環境公社が運営している東京サーキュラーエコノミー推進センターのモデル事業に応募したところ、令和4年度に採択されました。そこから実証実験を行った結果、数値として成果が見えたこと、サーキュラーエコノミーの知見のある方や、熱心に取り組んでいる方たちと話すなかで、この事業なら実現できると思えたことが後押しになりました。

株式会社Circloop 中村 周大 氏

事業がスピード感をもって具体化していくと実感できたASAC

東京都の創業支援事業には注目していて、ASAC(青山スタートアップアクセラレーションセンター)の存在も知っていました。自分たちの事業フェーズが合うと思ったタイミングで応募し、第19期受講生に選んでいただけました。
当時はまだ起業したばかりで、事業が固まりきっていませんでした。自分の頭の中だけで考えていて、第3者の客観的な視点が乏しかったからだと思いますが、メンターの方々からアドバイスをいただき、事業を形にしていくまで伴走いただいたことで、スピード感を具体化していくことができました。
またASACをきっかけに、企業や自治体との接点が増えたことも大きかったと感じています。Tokyo Innovation Baseでのピッチ登壇の機会を得られたり、サーキュラーエコノミー特化型の創業支援プログラムであるCIRCULAR STARTUP TOKYO(サーキュラースタートアップ東京)に応募して採択されるなど、接点を活かしながら次の一歩につなげています。

株式会社Circloop 中村 周大 氏

リユースの範囲を広げていくことを見据えて

「コーヒーメーカーの前であふれていた使い捨ての紙コップがなくなって喜んでいる」とか、「社内でサステナビリティに関する施策の話が出るようになった」と言っていただいたりすると、社会に必要とされるサービスを生み出せたと実感でき、嬉しく思います。起業してから、特に事業拡大には欠かせない資金調達、その資金を活かして、いかに事業拡大につなげていくのかというサイクルを回していくことに苦労していますが、それを上回るやりがいを感じています。
最近では社内イベントなどで、カップだけでなくお皿やカトラリーなどのリユースにも取り組んでいて、物理的にゴミが出ないイベントを実現できています。まだお試しの段階ですが、お客様の反応を見ながら、リユーザブルできるものを増やしていきたいです。またリユーザブルカップには、会社ロゴなどお客様独自のデザインを入れることもできます。社内にサステナビリティを浸透させるツールにしたり、社外には自社のサステナビリティへの取り組みを周知するためのツールとして活用もできると考えています。他にも次の展開が見えていきているので、リユーザブルカップを軸に大きな循環を生み出していきたいですね。

株式会社Circloop 中村 周大 氏

起業を目指す方へのメッセージ

起業したい人は起業すればいいと思いますが、絶対に起業したほうがいいとは思いません。私にも会社を辞めないという選択肢もありましたし、起業だけがすばらしいとは思いません。ただ起業してみたい、起業で何かを変えたいと思うなら、チャレンジする価値はあるし、私のように40代くらいになってからでも遅くありません。後悔しない選択をしてほしいです。
起業前から自宅に近い、TOKYO創業ステーションTAMAを利用してきました。創業ステーションでは相談に乗ってもらえたり、起業に関する情報も収集することができます。こうした施設を上手に活用することで、起業にチャレンジしやすくなるので、存分に活用されるといいと思います。

記事内の創業・成長支援プログラム

青山スタートアップアクセラレーションセンター

1クール3ヶ月間(プレシード)/5ヶ月間(シード)の短期集中型アクセラレーションプログラムを通して、アクセラレーターや先輩起業家、さらには大志を持った多くのメンター陣の支援を受け、リーディングカンパニーへと成長するための機会と場を提供しています。特に女性起業家や成長産業等、東京都の政策課題に取り組む方々や、ソーシャルやものづくり等、ベンチャーキャピタル(VC)が投資しにくいといわれる分野で起業に取り組む創業予定者やスタートアップ企業をメインのターゲットにしています。

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