1. 株式会社any style 代表取締役CEO 萩原 湧人 氏

東京都創業NETインタビュー

株式会社any style 代表取締役 萩原 湧人氏インタビュー

株式会社any style 代表取締役CEO
萩原 湧人 氏
1993年生まれ、東京都出身。東京大学 工学部電気電子工学科卒。複数社でマーケティング、アプリ開発、新規事業開発に従事した後、大学在学中に株式会社EARS(現any style)を創業。
株式会社any style Webサイト

日本が世界に誇るエンタメコンテンツで、「好き」が加速する体験をつくりたい。

株式会社any styleは、声優から届くメッセージアプリ「dear.」の開発・運営、音声メディア立ち上げ支援「ear.style.studo」にて音声コンテンツの企画・制作などの事業を展開。
“「好き」が加速する体験を。”をビジョンに掲げ、スタートアップとしてエンタメ業界に挑戦している。

株式会社any style 代表取締役 萩原 湧人氏インタビュー

様々なベンチャー企業でのインターンで見えた“起業”という選択肢。

理工系の分野に興味があり、東京大学教養学部理科2類に入学、その後ハードウェアからソフトウェアまで幅広く学ぶことができる工学部電気電子工学科へ進学しました。
在学1年目にOBの方から「塾を起業するから手伝ってくれないか」と誘われ、塾の立ち上げを手伝うことに。その時、初めて“起業”という選択肢に当事者意識を持って参加することができました。
前期教養過程では休学をして、動物が好きだったこともありペット系のアプリを運営しているミドルベンチャーでフルタイムのインターンとして働きました。
その後、さらにITベンチャー業界に興味を持ち、DeNA、サイバーエージェント、リクルートの3社のサマーインターンに参加。とても優秀で気さくな事業部の方たちと一緒にビジネスプランを作り上げていく作業を通し、「自分もこんな楽しい会社を作ってみたい」という思いが強くなっていきました。
そんな中で、自分は就職するより最初から“起業”する方が合っているのではと思い、大学在学中でしたが、起業に向けて動き出しました。

MVPでの気づきが新たなプロダクトアイデアのきっかけに。

インターン先での経験や東大で音響工学について学んでいたこともあり、自分の好きなこと、興味のある「音声」に関わるプロダクトを立ち上げたいと考えていました。そんなタイミングでTwitterでフォローしていたキャピタリストの方へ相談のDMを送ったところ、すぐに直接会う機会をいただけました。そこで音声アプリのアイデアを話したら「面白そうだね」とトントン拍子に出資が決まり、起業へと踏み切りました。ただ、当初考えていたアイデアは現実的ではないというフィードバックもいただいていました。しかし「音声市場」には大きなポテンシャルを感じていたので、ビジネス系からエンタメ系まで様々な音声コンテンツを制作し試験的に配信していきました。その中で、声優プロダクションの方々とご一緒に制作したボイスドラマに対するユーザーの反応は意外なものでした。同じボイスドラマを何度も何度も繰り返し聴いているユーザーの方々がいたんです。気になってデプスインタビューをしてみると、「声が心地よくてずっと聴いてしまう」と声優さんの声に魅力を感じて下さっていることが分かりました。そこで、我々が本質的に価値提供していたものは、音声コンテンツではなく声優さんの声だったと気づき、そこから声優さんに特化したプロダクト開発に指針を定めていきました。

専門家の元へ通いプロダクトアイデアをブラッシュアップ。

新たなプロダクト開発に向けた資金調達と、事業の仮説検証をサポートしていただくために、青山スタートアップアクセラレーションセンター(以下、ASAC)の第11期に採択していただき、5ヶ月間にわたるメンタリングや講座を受けました。新規プロダクト案へのアドバイスや、市場調査の手法まで細かくレクチャーしていただき、新プロダクトのローンチへ向け前進できたのも担当してくださったメンターさんの協力があったからこそだと思っています。さらに、融資に向けた資金計画の作成も毎週のようにブラッシュアップしていただき、無事に政策金融公庫さんから融資を受けることができました。そして、ASAC期間を経て誕生したのが、登録した推しの声優さんから定期的にメッセージが届くアプリ「dear.」です。

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好き、楽しいから生まれる最良のコンテンツを目指して。

今後、「dear.」の機能やコンテンツを充実させていくにあたり、まずは僕自身や周りの声優ファンの友人たちが熱狂できるアプリにしたいと思っています。元々中学時代からアニメや声優さんは好きだったのですが、この事業を始めてからさらに声優さんにハマっていきました。自分自身が自社プロダクトのファンとして楽しむことによって、ペルソナとしてUXを考えることができ、より良いコンテンツが提供できるのではないかと考えています。現在、会社のメンバーも増えてきているのですが、スキルで採用するのではなく、好きや楽しいを共有できるかどうかを大切にしています。自分たちの好き、楽しいがコンテンツに反映され、多くの声優さんとファンの方を「dear.」で繋いでいく。そんなプロダクトに成長していけたらと思っています。

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起業を目指す人に向けて

最近は、様々なアクセラレータープログラム、国や自治体のベンチャー支援制度、次々と組成されるベンチャー投資ファンドなど、スタートアップ業界の環境はどんどん整えられており、一度走り出してしまえばそのまま加速していけると思います。
しかし、「人生をかけて成し遂げたいと思える事業」と、「その苦楽を共にできる最高の仲間」を見つけることは、一番最初に自分でどうにかしないといけません。まだ起業前であれば、まずはこの2点についてよく考え、その後行く先々で生じる困難に立ち向かっていく準備をしておくと良いかと思います。

記事内の創業・成長支援プログラム

⻘⼭スタートアップアクセラレーションセンター

5か⽉間のアクセラレーションプログラムを通して、アクセラレーターや先輩起業家、さらには⼤志を持った多くのメンター陣の⽀援を受け、リーディングカンパニーへと成⻑するための機会と場を提供しています。特に⼥性起業家や成⻑産業等、東京都の政策課題に取り組む⽅々や、ソーシャルやものづくり等、ベンチャーキャピタル(VC)が投資しにくいといわれる分野で起業に取り組む創業予定者やスタートアップ企業をメインのターゲットにしています。

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